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第6回セミナー
「働き方改革と企業経営」開催報告

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講演1 「経営戦略としての働き方改革」


講師:
株式会社ワーク・ライフバランス 
コンサルタント 二瓶 美紀子氏  

日本の労働生産性は、主要先進国と比べ低いレベルです。日本の労働生産性の低いのは「年間労働時間の長さ」が原因のひとつと示唆されています。講義1では、従業員がイキイキ働き、生産性高く成果を出していくための企業経営について考えます。

企業が情報モラル、働き方改革に取り組む際のポイント

企業の不当な労働環境を社員がSNS上で暴露し炎上するケースが増えています。社名が明らかになると、就職内定辞退や株価の下落にまで影響します。
今は就職希望者だけでなく、投資家もサステナビリティや働きやすさを厳しくチェックしています。働き方改革をしないと、優秀な人材が集まらず、資金調達もできない時代になっています。

多くの企業は、働きやすさをアピールするために法定以上の育休制度を設けていることを広報していますが、「制度はあるのに使えない。取得しづらい。」というのが、多くの企業の現状ではないでしょうか。実態としてのモラルを向上させ、その実績を対外的に発信してこそ、情報モラルに則った企業活動といえます。
最近はパーパス経営が注目されています。対外的に会社のビジョンを発信し、共感を得ることで企業ブランドも高まると同時に、社員のモチベーションの向上にもつながります。働き方改革を通じた組織改革は、企業のビジョンを実現し、情報発信するための重要な基盤です。

1. 日本が抱える深刻な課題

日本は、先進国中もっとも時間をかけて仕事をし、生み出す付加価値はもっとも低い国です。問題は、人口ボーナス期の成功体験を持ったまま人口オーナス期へ突入し、人口オーナス期に対応した「働き方」を手に入れられていないことです。
生産労働人口が減るだけでなく、2022年に人口ボリュームゾーンの団塊の世代が後期高齢者になります。当然、要介護者が増え、両親を介護するためにフルタイムで働けないといった時間制約をもつ人が急増します。介護のために離職するのは現実的ではなく、介護と仕事をうまく両立することが重要です。時間制約のある人の意欲を上げ、チームで成果を出す手法が解決策となり、人材流出も防ぐことができます

2.今後求められるマネジメントとは

今後求められるマネジメントは以下の通りです。

  • 時間制約がない部下はもういない。職場全体で仕事の属人化を排除する。
  • 内向きの仕事を捨てる・断る・ミニマムにする等の判断のリスクを取る。その仕事をやめないことで起きているチームの疲弊・離職・メンタル疾患・家庭不和のリスクの大きさを直視し、取捨選択することで仕事の質を上げる。
  • 自分自身のワーク・ライフバランスを実践し、自己研鑽に励む。
  • 心理的安全性を作る。社員の成長を促し、自律的に働く組織文化を醸成する。

心理的安全性とは

心理的安全性(Psychological Safety)とは、組織の中で自分の考えや気持ちを安心して発言できる状態のこと。
Google社は、生産性の高いチームの共通点を調査分析し、「心理的安全性が高まると、チームのパフォーマンスが向上する」ことを発表しました。

3. カエル会議でチームの課題を解決

カエル会議

カエル会議は、職場の課題点を見つけ出し、それをチームで解決していくための会議です。理想的な状態(ありたい姿)を明確にし、心理的安全性を高く、フラットに議論できる環境を整えます。

カエル会議運営のポイントは、以下の通りです。

①会議の目的と議題ごとの目的を明確にする。
②時間を割り振る。
③役割を決める。
④アクションの内容・担当・方法・期日を明確にする。

4. 働き方改革の効果的な施策事例

個人単位でできる施策

  • 定期的なタスク洗い出し
  • 優先順位の明確化
  • プレゼンのスキルアップ
  • 仕事の受け渡し方法の工夫
  • スケジュールの工夫
  • わりこみ業務への工夫
  • メールの効率化
  • ライフの共有

チーム単位でできる施策

  • 効率的な会議運営
  • スキルマップの作成
  • 複数担当制
  • マニュアル休暇制度